香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

サンタモニカ~サンアントニオ往復、車の旅 ~ 私の歴史/記録(6)

私の歴史/記録シリーズです。前回は、アメリカの英語学校時代のことを書きました。これまでの経緯は、以下をご覧ください。

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さて、カリフォルニア州サンタモニカから、テキサス州サンアントニオまでドライブしたお話の続きです。もう20年以上前の話です。

サンタモニカからサンアントニオまでは10番のフリーウェイで繋がっているので、基本的にそこをひたすら進むのみです。フリーウェイというぐらいですから、料金無料の高速道路です。その同じ道がずーっと通ってるとは、アメリカのスケールの大きさを感じました。

サンタモニカのある南カリフォルニアは、雨が非常に少ない地域なので、町からちょっと離れると、基本的に砂漠のような乾燥地帯です。日本のように緑の多い山などは見ることがないです。乾燥しているので、自然発火の山火事も頻繁にありました。余談ですが、南カリフォルニアの町はどこも、家の前は綺麗に芝生が整備され、水やりのためのスプリンクラーがジャンジャン回っているような家が多いです。節水しようという話も聞いたことありませんし、その意識もなかったと思います。でも、降雨量は圧倒的に少ない…。水は、北カリフォルニアからでっかいパイプで運んできているようです。豪勢ですね…。気候はカラッとしていて気温が高くても、それほど暑く感じません。朝晩は気温が下がって、ジャケットが必要です。一年中寒くも暑くもなくて快適な気候です。全米中天気が悪くても、南カリフォルニアの辺りだけ天気がよかったりします。

話を旅に戻します。10番のフリーウェイでは、そんな乾燥した地帯をひたすら進み、たまに町に入るというのを繰り返す感じです。アリゾナ州では、見渡す限り何もなく、砂漠の真ん中にただ道が一本地平線まで伸びているという景色に出会いました。そんな雄大な景色をはじめて見たので、ちょっと感動しました。ただし、何もないので運転は眠くて眠くて。でも、眠くて道を外れてしまっても、砂漠に突っ込むだけなので、ちょっと安心でしたけれども。対向車もあまりいなかったですし。運転中、ふっと意識が薄れて道を離れ、砂漠のざらざらした砂のところに車が入ってしまって、ハッと起きるという感じでした。今考えると危ないですね…。ちなみに、強行スケジュールだったため、一緒に行った友人とは交代で運転し、運転していない時は寝ることにしていました。

そんなところを走っていると、町もガソリンスタンドも少なく、ガソリンスタンドを見つけるたびに寄っていた覚えがあります。砂漠の真ん中で、ガソリンが切れたらと思うと怖いですよね…。どのあたりで休憩をとったのかもあまり覚えていないのですが、アリゾナ州では、少なくともフェニックスとツーソンで休憩をとった覚えがあります。

ニューメキシコ州に入ると、ごつごつとした、茶色の、草木の生えていない岩山の間を走る感じになりました。メキシカンハットか、カウボーイハットでもかぶっている人が出てきそうな雰囲気。これも、日本にはない景色で、とても興味深かったです。

そこからテキサス州に入って、初めての町がエルパソ。メキシコとの国境に近い町です。そこで事件が。なんと、国境警備隊(だと思う)に車を停められたのです。私の友人は、その頃、口ひげを生やしていて、メキシコ人に見えなくもない風貌でした。メキシコからは日常的に不法入国者があり、国境警備隊はそれを警戒していたのです。その時なぜか私の友人は日本のパスポートを携帯しておらず、サンタモニカの家に置いてきてしまっていました。身分が証明できないし、メキシコ人にも見えるということで、連行されそうになったのです。幸い、私が日本のパスポートを持っていたので、彼も連れていかれずにすみました。でももし私がパスポートを持っていなかったら、彼は連行されたと警備隊の人に脅かされました。外国では、特に遠出をするときは、やはりパスポートは携帯していなければなりませんね…。

テキサス州には朝に入ったのですが、サンアントニオに着いたのは日暮れ頃。テキサス州、広いですね~。サンタモニカから27時間でやっとサンアントニオにつきました。サンアントニオで何をしたのかあまり覚えていないのですが、私の友人がそこに住んでいた時代の友人たちに会った覚えがあります。観光も少ししたような覚えが。一泊か二泊したかな。そして、またサンタモニカへとんぼ返りです。

夜、フリーウェイを走っていると、何もない真っ暗の中で、町が近づいてくると、その明かりがたくさんの星のようで、まるで銀河のようでもあって、とてもきれいで、また町が近づく安心感もあって、とても癒されました。アメリカの街頭は、オレンジ色が多かった覚えがあるので、オレンジ色の光の渦のかたまりが近づいてくるわけです。

帰り道、交通量も少ないですし、眠いなぁと思って、ぼーっと運転していたら、知らず知らずのうちにスピードが出ていて、なんと、警察車両を追い越してしまいました。気が付いたら、車の後ろがラスベガスになっていました(笑)。というのはもちろん比喩で、車の後ろから青と赤のピカピカした、ラスベガスのように派手な光がきたということです。アメリカの警察車両は、青と赤の光がビカビカ光ります。余談ですが、日本では、警察車両は停めたい車の前に出て停めさせるという話を聞いたことがありますが、アメリカでは警察車両は、停めたい車の前に出ることはありません。後ろからついてきて、停めろとスピーカーで言います。警察車両が前に出ると、停めたい車が逃げるために、警察車両に追突してくるかもしれず、そのために後ろにしかつかないと聞きました。(本当かどうかは確認していません。)

警察に停められたのは、確か、ニューメキシコ州でのことだったと思います。仕方なく、路肩に車を停め、警察官がくるのを待ちました。そして、免許証、レンタカーの車両証などを見せたと思います。その時の私の免許は、日本で取得した免許証、おまけにレンタカーで、警察官も、スピード違反の手続きをするのが面倒だと思ったのでしょう。それで、無罪放免になりました。よかった~。あ、余談ですが、アメリカでは、車で違反をすると、その車の持ち主も責任を問われることがあります。レンタカーだと、誰にも責任を負わせられないのでしょうね。国際免許は手続きが面倒でしょうし。そんなわけで助かりました。そして、その後無事に家に帰り着きました。

日本に帰った時に、父にその話をしたら、「もうそんな危ないことはするな」と。その時初めて気づきました。危ないことだったのですね…。また、父がそういう心配をする人だったのだと、初めて気が付きました。父のこともよくわかっていなかったのですね…。今思うと、つくづく、私はナイーブだったなと思いました。あ、ナイーブというのは、日本では繊細な人、純粋で傷つきやすい人といった良い意味になるかと思いますけど、アメリカでは、世間知らずで正しい判断ができない、どちらかと言えば「バカ」という良くないニュアンスがあります。そちらの方の意味です。余談ですが、アメリカ人の友達が日本に遊びに来た時に、近くの中古車屋で、Action, Naiveとか、いろいろな英語が壁に書かれている場所があり、意味わかんないと大笑いされたことがあります。そりゃ、ナイーブ(世間知らずで正しい判断できないバカ)な中古車ディーラーからは、車は買いたくないですよね…。ナイーブという言葉を英語圏の人に使う時は、誤解されないよう、気を付けた方が良さそうですね。

 

私の歴史/記録シリーズはまだまだ続きます。気が向いたら続きを書きますね。いつも行き当たりばったりな私に付き合っていただき、ありがとうございます。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。

 

<今日の植物(公園の植物シリーズ)>

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「近所の公園のさつきが満開です」photo by Kaori