香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

病気と向き合う(1)

私自身の病気と、それにどう対処しているかについて、少しずつ書いていきたいと思います。病気なんて公表することでもないのですし、死に至る病というわけでもないですが、もしかして誰かのために、少しでも役に立つ情報もあるかもと思い、書くことにしました。私は5年ほど前に糖尿病と診断されました。その後、いろいろ調べて、自分なりにどう付き合っていくのか試行錯誤し、現在では、私にとっては特につらくもない食事療法と軽い運動でコントロールできています。薬も飲んでいません。定期的に医者にはいきますし、糖尿病患者が気を付けるべきことは気を付けていますが、いまはごく普通に楽しんで生活しています。また、病気から学んだこともいろいろありました。

私が糖尿病と診断されたのは、まだジャワに住んでいる時でした。きっかけは、踊っている時に足が頻繁に攣っていたこと。それも変な攣り方でした。普通、足が攣った時は、反対側に伸ばすと治ることが多いと思うのですが、その時は、反対側に伸ばしても治らずに、逆のちょっとひどくなる感じ。でも、ひどい攣り方ではなく、そのまま踊り続けていると、そのうち治ったり。そんなことが、5月ごろにだんだん頻繁に起きるようになってきていました。その頃、特に踊りの公演が重なり、またその他のことでも非常に忙しかったので、疲れているのかなと考えていたのです。でも、その後もずっとその症状が続きますし、おかしいなと思っていました。ネットで調べてみると、足が攣る症状が出る病気はけっこうたくさんあり、そのうちのひとつが糖尿病でした。でも、まさか自分が糖尿病だとは思っていませんでした。年齢もまだ若いですし、太ってもいないし、それなりに運動もしているし、親戚にも糖尿病の人がいなかったからです。また、糖尿病に関しての知識も全くありませんでした。

ただ、その後、たくさん食べているのに、どんどん痩せてきたのです。もともとモダンダンサーだったので、どちらかと言えば痩せていて、筋肉が付いているという感じだったのですが、ジャワに住んで、少し体重が増えてはいました。でも、太ってはいなかったので、ちょっと不健康に痩せたという感じになってしまいました。友人が心配して、病院で検査することを勧めてくれたのですが、9月に日本へ帰るし、帰ってから検査しようと思っていました。あまりジャワの医者を信頼していなかったこともあります。

でも、ある時、おしっこがべたっとしていることに気づいたのです。これはやばいと思って、すぐに検査のできるところへ行きました。確か、7月のことだったと思います。そうしたら、血糖値がびっくりするほど高かったのです。随時血糖値(食事の時間と関係なく測定した血糖値のこと)ですが、399だったと思います。ちなみに、正常な人だと、食後2時間値でも140を超えることはありません。ですので、かなりの高値だったのです。その結果をもって、すぐに、以前、何度かかかったことのある病院の女医の診察を受けました。

その女医さんも、「太ってもいないし、まだ若いのに何で!」と驚いていました。

ジャワでは、出てくるお茶やコーヒーはすべて激甘です。コップ一杯に、砂糖を大匙山盛り3杯ぐらい入れます。そのせいか、ジャワでは糖尿病患者がとても多いです。でも、私は、砂糖入りの飲み物はすべて断って、けげんな顔をされながらも、砂糖なしをいつもお願いしていました。そうやって、気を付けていたつもりでした。また、野菜なども人よりもたくさん食べていました。それなのになぜ、と、本当に納得いきませんでした。

日本だったら、もう少し色々調べてから、薬の種類と量を決めると思うのですが、そこでは、私が持っていった随時血糖値のみで、薬と量を決められました。ちなみにその病院は、スラカルタでも一二を争う良い病院です。私は、薬を飲むことに抵抗があったので、嫌だったのですが、お医者さんに、徐々に減らしていけばよいからと言われ、また、糖尿病に関する知識も何もなく、また糖尿病であったというショックもあって、とりあえず薬を飲むことにしました。また、病院の栄養士さん(かな?)から、食事の説明があり、そこから食事制限が始まりました。今考えれば、たぶん、血糖値の上下差を少なくするという発想でしょうが、朝、昼、晩の食事の間に間食も取るという、食事療法でした。でも、食べる量が本当に少なくなって、とてもつらかったです。

それよりなにより、自分が糖尿病だということがショックでショックで仕方ありませんでした。本当に自分をというか、自分の身体を責めましたね。自分は普通の、まともな体ではないのだと。糖尿病は治癒することのない病気と言われていますし。その時は本当に受け入れることができませんでした。

この後どう展開して、何を試して、今に至っているかは、また別の日に書きますね。

 

実は、最近、私の糖尿病のどこに原因があるのかわかったのです。日本のお医者さんにかかるようになってからも、つい最近まで、詳しい検査をしたことがなかったのですよね。日本でも3回ほど医者を変えていますし…。日本のお医者さんは、私はすでに糖尿病と診断されているのだから、いろんな検査を当然すでにやっているに違いないと思ったのかもしれませんね。でも、数か月前、やっと経口ブドウ糖不可試験を受けることができ、原因が分かりました。私の場合、インシュリンの出る量がとても少ない、ほとんど出ていないということが分かったのです。医者によると、これは体質だろうと。日本人には、たまに、こういう体質の人もいて、昔のように、川まで水を汲みに行ったり、身体をとても使う生活をしていたのなら、何の問題もなかったのだけど、現代の生活に適応できないと。昔ながらの生活をするべきということか?まあ、それも嫌いではないけれども…。確かに、以前は非常に激しい運動を日常的にしていたから、どれだけ食べても何ともなかったのかも…。でも、糖尿病発病はそれだけでなく、ストレスや寝不足も原因になったのかもと、ジャワでの生活を思い返すと、そう思えます。

おまけに、一週間ほど前に、父から、私の母方の曽祖父が糖尿病だったと聞いたのです。私は知らなかったし、母方の祖母も叔母も「うちには糖尿病患者がいないのに何であなたが糖尿病になったの」と言っていたじゃないか。最近、母の弟も糖尿病になったし、母ももし生きていたら、どうだったかわかりませんね。ということは、遺伝ということではないか。う~ん。仕方ないですね…。これは今の医療では改善しようがないかな…。でも、知っていたら、気を付けたのに。糖尿病は、不可逆性があり、いったん発症すると戻ることはできないと言われているので、知っていれば、糖尿病にならないように気を付けることもできたのにな。糖尿病患者は、癌をはじめ、いろんな命にかかわる病気にかかる確率が高くなるから…。インシュリンの出る量とか、まだ若い時に健康診断に入れればよいのにと思います。そうすれば、逆に医療費削減になるのでは。

まあ、とにかく今は、インシュリンが出ないから血糖値が下がらないなら、食事の糖質量を減らすか、食後の運動で血糖値を下げるしかないですね…。そのちょうどいいバランスを探りながら、生活しています。糖尿病患者でも、工夫次第で、食事もいろいろ楽しみながら生活していくことはできますもの!

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。

 

<今日の植物(庭の植物シリーズ)>

f:id:Kaoriok:20180528211330j:plain

「shallotの花」photo by Kaori