香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

仏教の祭日/ボロブドゥール寺院 ~ ジャワの思い出

昨日は、インドネシアではWaisak(ワイサッ、ワイサック)でした。仏教の祭日ということで祝日でお休みとなっています。ちなみに、インドネシアでは、政府が認めている宗教の祭日は祝日です。その前後も併せてお休みになることも。

日本ではWaisakなんて聞いたことがなかったのですが、調べてみると、京都鞍馬寺でウエサク祭が行われているとのこと。

総本山 鞍馬寺

ウエサク祭 京都鞍馬寺 五月満月祭 2018年 平成30年

五月満月祭2018・鞍馬寺 | 京都観光

釈迦の生誕、悟りを開いた日、涅槃を祝う日なのですね。ジャワにいた時は、釈迦の生誕祭だと思っていました。インドではWesakと書くようです。4月から5月ごろの満月の日に行われるとか。

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「2018年5月29日午後11時30分 雲の隙間から見えた満月」photo by Kaori

すべての目覚めと平安を祈願するとはすごい日なのですね。調べてみて、初めて知りました。せっかく日本に戻ってきているわけですし、いつか鞍馬寺でのウエサク祭も行ってみたいです。

昨日は朝から、ジャワの友達が、ボロブドゥール寺院での、夜明けからの儀式の模様をfacebookライブ配信してくれていて、それでWaisakだと気づきました。まだ、スラカルタ芸術大学に留学中に、誘われてボロブドゥールのWisakの儀式を見に行ったことがあります。でも、10年以上前ですし、その時はそれほど興味があったわけではないので忘れてしまいました(笑)。黄色い袈裟を着たお坊さんがたくさんいたような覚えが…。他の留学生仲間と、バスをチャーターして団体で行ったのは覚えています。だだっ広い芝生の上で儀式をやっていて、日を遮るものもなく、非常に暑かったです。その時初めてボロブドゥール寺院へ行ったのですが、儀式で人が多く、大勢の人が寺院に登ると危険ということで、上に登れないかとがっかりしていたら、4時半を過ぎたら登れることになり、帰りのバスの時間もあったので、上まで急いで駆け上ったことなどを覚えています。

ただ、その時は昼頃到着したはずなので、友人が昨朝、ライブ配信してくれた、早朝の儀式を見るのは初めて。気持ちの良い歌のようなものが、時折流れていました。私見ですが、日本だと仏教はどちらかと言えば男性的なイメージなのですが、ジャワではもっと柔らかく、女性的な感じだなと思いました。まあ、宗派も違うのでしょうか…。その辺は詳しくないので私にはわかりません。

ボロブドゥールは、ちょっと縁があって、その後、何度も行くことになりました。日本から来た人を案内したり、仕事で行ったりで、少なくとも7~8回は、寺院の中に入っていると思います。ボロブドゥール寺院の上から、日の出を見たことも…。

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「ボロブドゥール寺院から日の出 2014年7月5日」photo by Kaori

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「ボロブドゥール寺院から日の出、ムラピ山とメルバブ山。2014年7月5日」photo by Kaori

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「ボロブドゥール寺院にて日の出 2014年7月5日」photo by Kaori

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「朝日を受けるボロブドゥール寺院の仏様 2014年7月5日」photo by Kaori

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「早朝のボロブドゥール寺院 2014年7月5日」photo by Kaori

少し曇り空で心配でしたが、ムラピ山とメルバブ山の間から登るお日様は感動的でした。日本人の観光客も何人かいましたが、日本人は日の出を見ると、自然と手を合わせるのですね…。日本人の美しさを見たような気がしました。タイ人らしいグループは、長い間お祈りを捧げていました。

ボロブドゥール寺院は、何度行っても、彫刻された壁画を見るのが楽しいです。私は大抵毎回テーマを決めて壁画を見ます。飛天とか動物とかです。そうすると、新たな発見もあり、面白いです。ただ、ボロブドゥール寺院は日を遮るものが何もなくて、とにかく暑いので、早朝に行くのがおすすめです。一度、午後から行ったら、ボロブドゥール寺院のてっぺんで、突然の土砂降りの雨に降られ、遮るものなど何もないので、大変なことになりました。まあ、それも思い出してみると楽しいのですけど。

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「ボロブドゥール寺院にてジャンプ!2014年9月5日」

ボロブドゥール寺院に関しては、以下のサイトが参考になるかと思います。

ボロブドゥール遺跡 - Wikipedia


世界遺産として超有名なボロブドゥールですが、実は、周りの村落は、中部ジャワ州マグラン県の中で、一番貧しい地域とのこと。ボロブドゥールへは、世界中から観光客がやってきますが、ほとんどは、車で1時間半ぐらいのジョグジャカルタで宿泊して、ボロブドゥール寺院周辺には、とどまらないのです。農地としてもあまり良くないようです。また、ボロブドゥール寺院が公園として整備された時、政府は、反対する地元民に対してかなり強引なひどいことをしたようで、今でも、いろんな確執が残っているとか。とにかく、ボロブドゥール寺院は地元民にとって、それほど利益があるわけでもなく、ただ、大勢の観光客の残す大量のゴミや水質汚染の問題で苦しんでいるのです。私が働いていたNPOでは、ボロブドゥール周辺の住民と村おこしやグリーンツーリズム、コミュニティラジオ局立ち上げなどで協働していたので、そのような話を何度か聞きました。ボロブドゥール寺院の周りの集落は、実は本当にたくさんの魅力あふれる村々です。民芸品づくり、バティック(ろうけつ染め)体験、料理体験、地元伝統芸能体験、自転車ツアーなど色々楽しめます。ジャワの村の暮らしも見れますし、ボロブドゥール寺院へ行かれる方は、ぜひ、周辺の村落に数日とどまって、その魅力を感じていただきたいなと思います。

ボロブドゥール周辺には、私は仕事でも、それ以外でも頻繁に行っていたので、友人たちもたくさんいます。また会いに行きたいなぁ。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。

 

<今日の植物(庭の植物シリーズ)>

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アデニウムの蕾」photo by Kaori