香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

ジャワの影絵芝居

昨夜、東京のジャワガムラングループ、ランバンサリの自主公演、青銅音曲XXを見に行ってきました。私も昨年は舞踊でお誘いいただき、出演いたしましたが、今年はジャワの影絵芝居ワヤン・クリッ (Wayang kulit) 公演でした。演目はデウォルチ。インドのマハーバーラタのお話から取られていますが、この演目はジャワ独自のものだそう。本当に素晴らしかったです。

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「パンフレット」

 

ジャワで影絵芝居は、夜8時や9時ごろ始まって朝4時や5時ごろまで続きます。私もジャワにいる時には、時々見に行っていたものです。

今回の公演は、ぐっと縮めて、2時間20分ぐらいでしたが、とても見応えがありました。ダラン(人形遣い)は大阪在住のローフィット・イブラヒムさん。とても実力のあるダラン(人形遣い)であり、演奏家です。日本に13年ほど住んでいらして、日本語がペラペラ。今回の演目は、大部分が日本語で演じられました。ローフィットさんと奥さまのひろみちゃんには、私もいろいろお世話になり、仲良くさせていただいています。ひろみちゃんの歌も素敵だった!

ちなみに、ジャワの影絵芝居は、ダランが1人で人形をさばき、人物を声と人形の動きで演じ分け、語り、物語を紡いでいきます。多くの即興的要素が含まれ、ガムラン演奏者との掛け合いも見ものです。ガムランは大オーケストラで、今回は20人以上が演奏に入っていたと思います。演奏のジャワガムラングループ、ランバンサリは、すごい実力のあるグループです。

 

今回の演目、デウォルチは、パンドウォ5王子の1人、ブロトセノ(ビモ)が、「人生を完成させるた教え」を得るために、「生命の水」を探しに行く物語です。危険な森や、荒れ狂う海など、あちこち探しますが見つからず、海の底で、生死の境で出会ったのは、光に包まれた自分そっくりな小さな神、デウォルチでした。ブロトセノにデウォルチは自分の小さな体の中に入れと言います。ブロトセノは中に入り、そこに全てがあったのでした。

とても簡単に私が感じたことを書くと、ブロトセノは、悟りの世界を見たのだと思います。あちこち探したけれど見つからず、実は自分の中に全てがあったのだと、気づいたのだと思います。デウォルチは世界そのもの、そして、ブロトセノ自身もデウォルチであると、気づいたのだと思います。

ブロトセノは、その至福の場所に留まりたいと願いましたが、まだ、やるべきことが残っているから、戻るようにとデウォルチに言われ、戻ります。そして、彼のやるべきことを行ったのです。

 

深い。とても深い精神性です。

なぜ、私がジャワ芸能に惹かれるのか、改めてわかりました。ジャワ舞踊も同じように深いです。

ガムラン音楽も、至福で、なぜ私がジャワ長く留まっていたのかを思い出しました。あの音の世界に浸っていたいのです。日本でも十分幸福だけれども、またジャワに戻りたいと、切に思いました。

 

最近、ジャワの精神性について調査をしていたのですが、ますます深く知りたくなりました。きっと底なし沼でしょうけど。

 

まだまだ書き足りないですが、長くなったのでこの辺にします。とにかく、今回の公演も素晴らしかったです。出演者のみなさま、おめでとうございます。とてもとても素敵な夜でした。

 

読んでいただいて、ありがとうございます😊

素敵な1日をお過ごしください。

 

〈今日の植物(庭の植物シリーズ)〉

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「カトレアが咲き始めました」photo by Kaori