香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

病気と向き合う(5)

今日は「病気と向き合う」シリーズです。私の経験が、少しでもどなたかの役に立つのではと思い書いています。前回は、糖尿病の治療として、ジャワでどのように糖質制限をしていたかについて書きました。以下からお読みいただけます。↓

 

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さて、ジャワで苦労しながら、割合厳しい糖質制限を続けていましたが、仕事の関係で3~4か月に一度ぐらいは帰国していました。日本の事務所が神戸だったので、神戸に滞在していることが多かったのですが、そこから、糖尿病で糖質制限をしている人の間では有名な、厳しい糖質制限を推奨する京都の病院に通っていました。頑張って糖質制限をしてたので、いつも結果は良好。その前1~2か月の血糖値の状態がわかるヘモグロビンA1c値も、普通の健康な人ぐらいの値まで下がっていました。そして、どうしても糖質が多いの食事を食べざるを得ない状況になった時のために、アカルボースという薬を処方してもらっていました。この薬は、炭水化物の消化を阻害するので、血糖値が上がりにくくなるわけです。出張先などで、糖質が多い食事しかない場合は、食べる直前にこの薬を飲んでいました。検査では、血糖値だけではなく、コレステロール値も素晴らしい。血圧も低い。何の問題もありませんでしたが、やはり、いろいろ調べていくと、極端な糖質制限を危険と考える医者も大勢いました。それを読んでいくと、いろいろ迷い始めるわけです。どちらも、もっともなことを述べているので…。

私自身、少し疑問に感じ始めていたところに、私の主治医だった先生が、その(厳しい糖質制限を推奨している)病院を辞めて別の病院へ移られることになりました。私は、ちょうど日本に帰っている時で、その先生の最終日に診察を受けたのです。いろいろと話をしていると、その先生が、「糖尿病のコントロールもうまく行っているから、もう、玄米など、少しずつ糖質を増やしていっても良いんじゃない。やはり、厳しい糖質制限はいろんな弊害も指摘されているからね。また、アカルボースも血糖値を上げにくくするといっても、ほんの20~30ぐらい(少し)だし、飲まなくても良いのじゃない」とおっしゃったのです。

私は、やはりなと思いました。何となく、そんな気がしていたのです。それは、理論的なことではなくて、感覚的なところでです。私は、どちらかと言えば、感覚で動く人間なので、その感覚に従うことにしてみました。また、私自身、何事も中庸、中道を選ぶようにしているので、極端より、中庸の方が気持ちが良いのです。そして、いままで、自分の身体を不甲斐なく思って、嫌って、何とか人並みの身体に戻したいと、厳しい糖質制限をしていたことも良くないと思いましたし。この体が自分の個性で、それを認めた方が気持ちが良いし、無理に、他の人のレベルに合わせる必要もないと考えられるようになったので、合併症にならない程度で、血糖値をキープする方向に転換しました。

でも、私は決して、厳しい糖質制限がだめだと言っているわけではないですよ。自分でやってみて、素晴らしい部分もあったし、その方法が合う人もいると思うのです。ただ、今の私には、合わなくなってきているかなと思うだけです。また私自身の状況が変わったら、厳しい糖質制限に戻すかもしれませんし。ひとつの選択肢としては良いと思います。

さて、ジャワ駐在も終わり、日本へ戻ってきたこともあり、その後、それっきり、その京都の病院とはおさらばして、今では、家からわりあいに近い、ゆるい糖質制限を推奨している医者に通っています。そこは、糖尿病患者が常時1,000人近く通っていて、とにかく、経験豊富。多くの患者を見てきた経験から、気を付けるべきことを踏まえて診察してくれるので、安心感があります。意外に、糖尿病に関する経験の豊富な専門医って、少ないのですよね…。それでも、私自身は、病気は医者ではなくて、自分で治療/管理するものだと思っているので、そのお医者さんにも、自分の考えるところを言ってみます。一蹴されますけれども(笑)。でも、結局のところ、自分の身体は自分が一番分かるのですよね。そのお医者さんの言うことを聴きながら、自分の考えも加味して、いろいろ決めていっています。これが正しいのかはわかりませんが、少なくとも、自分では納得できます。これで、合併症や、大病にかかっても、それはもはや運命で、受け入れるしかないでしょう。それに、病気も悪いものではないです。いろんなことを気付かせてくれます。私も糖尿病にならなかったら、これほど、自分の身体と健康に意識を向けることはなかったでしょう。

 

まあ、私の御託は置いておいて、私の食事のトリックを書きますね。

今のところ、私は、朝、昼は、普通の半分ぐらいの量の主食を食べています。でも、外食の時は気にしません。食べ方は、もう知っている方が多いと思いますが、基本的に、まず野菜、魚、そして最後に主食です。もちろん、魚ではなくてお肉の時もありますよ。野菜は好きなので、かなりたくさん食べています。

また、主食を食べる30分ぐらい前に、ニンジンジュースを少量飲んでいます。私はフレッシュで作っています。その方がおいしいので…。そうすると、身体が、インシュリンを出す準備をしてくれるのです。私を含めて、糖尿病患者は、インシュリンが出るのが遅い人が多いようです。私も、時間が経てば必ず普通の血糖値まで下がるのですが、インシュリンの量も少なく、たぶん出るのも遅いので、インシュリンが効き始める前に、血糖値がグンと上がってしまうのです。でも、まず、ニンジンジュース(トマトジュースでも)を飲むか、果物を食べておくと、インシュリンが出始めるので、主食を食べたころには、かなりインシュリンが出ており、血糖値の上りが少なくなるというわけです。

その他には、酢を摂取すると、血糖値が上がるまでに時間がかかるので、それまでに、インシュリンがたくさん出てくれて、血糖値の上りが少なくなるというテクニックもあります。私は、自宅にいる時は、両方を併用しています。ただし、酢を摂取すると、しばらくはトイレが近くなるのが難点。酢は私は、酢のものにしたり、リンゴ酢や黒酢を薄めたものを、食事の時(主食を食べる前まで)に飲んだりしています。

また、自分で血糖値を計っていた経験からすると、ゴーヤを食べると、血糖値の上りが多少少ない気がします。

また、サラダのドレッシングなども、なるべく糖質の少ないものを選ぶようにしています。最近の私の流行は、エクストラバージン・オリーブ油と塩こうじを混ぜたもの。ちょっと高級なオリーブ油だと、特に美味しいです。また塩でも良いのですが、塩こうじなら発酵食品も摂取できますし、お勧めです。あと、マヨネーズも糖質が少ないです。

また、ご飯は白米よりも玄米の方が、食物繊維が多くて、血糖値の上りは少ないです。でも、そこまでこだわらなくても良いかなとは思います。私は、玄米がとても好きなので食べていますが、玄米には発芽毒があるので、気になる人はその辺りの対策もした方が良いかなとは思います。ちなみに、私は生きている玄米(水につければちゃんと発芽する玄米)を、充分水につけ、発芽まで行かなくても、発芽しそうな状態になってから炊いています。そうすれば、発芽毒はないです。ちなみに、スーパーなどで売っている玄米は発芽しません。ですので、発芽毒が残ったままです。また発芽玄米として売られているものは、処理の関係でもっと発芽毒が多いそうです。それならば、白米を食べた方がましですね。ただし、発芽毒の影響は諸説あるので、あまり気にしなくても良いのかもしれません。

そして、運動ですね。20分以上、さっさと歩くことで、血糖値はグンと下がります。私の主治医によると、走るより歩く方が良いそう。それは、走ると怪我をする確率が高くなるけど、糖尿病患者は、年をとっても、ずっと運動し続ける必要があり、そのために、体に負担がかからないウォーキングが良いのだそう。

また、インシュリン抵抗性が高い糖尿病患者の方は、ステビアがよいかもです。ステビアは草です。インシュリン抵抗性を改善すると言われています。最近では、ホームセンターでも見かけます。私もたくさん育てています。甘いので、甘味料代わりにもなります。

 

それから、私が主食を抜くのを夕食に決めているのにも訳があります。それは、同じだけ食べても、夕食後は血糖値がなかなか下がらないからです。昼間は脳がよく働いているので、そこでかなり消費されるようで、血糖値も下がりやすいです。夜も頭を働かせているつもりでも、昼ほどは働いていないのだなぁと、つくづく思います。

 

そして、低血糖になることは、高血糖よりも危険なので、気をつけなければいけません。1回の低血糖で、癌をはじめとする大病にかかる確率が何倍もに増えるそうです。糖質制限低血糖になることはありませんが、薬も併用していると、危険があります。

 

あ、もうひとつ情報を。もし厳しい糖質制限を選んだ方で、足が攣り始めた方がいたら、カルシウム・マグネシウムの錠剤で治ります。お試しあれ。

 

糖尿病患者にとって怖いことのひとつは、癌にかかりやすくなるということ。私の今の主治医によると、厳しい糖質制限は癌にかかる確率を上げるということ。これは諸説あるので、私も鵜呑みにしているわけではないですが…。今、私は、ヘモグロビンA1c値は、6.4%ぐらいです。決して正常値ではないですが、糖尿病患者としては、よくコントロールできています。7%以下なら、合併症にかかることは少ないので、無理はせず、食事やスイーツもそれなりに楽しむことにしています。年齢を重ねるごとに上がってはいくでしょうから、その時はもう少し厳しくしなければいけなくなるかもしれませんが、今は、ゆったりとした気持ちで取り組んでいます。私の主治医がいうには、私に関しては、糖質を一日に150gぐらいとって、そのぐらいをキープできるのが一番良いのだとか。ちなみに、ご飯一杯150gには、糖質が約55g含まれます。

また、50代に入ると、いろいろな癌にかかる確率が上がる(それは糖尿病じゃない人も同じですけど)ため、今はそのままでよいけど、50代に入ったら、もっと太った方が良いと言われました。やはり、太っているほうが体力があり、癌にも耐えられる確率が上がるのだそうです。そういうものなのですね…。痩せているほうが健康のように思いがちだけど、そうでもないのですね。目からうろこが落ちました。

 

今は、そんな感じで、糖尿病とうまく付き合っています。厳しくなく、ゆるゆるとした感じが自分に合っているようです。他の人に気を使わせることも少なくなりましたし、友達とお茶を飲みに行ってスイーツも楽しめますしね!ストレスが少ないのも、やはり健康に良いような気もします。でも、何より、いまの時点で、自分が納得できる方法にたどり着き、うまく病気と付き合えているということが重要かなと思います。そして、自分の体の状態は完ぺきではないかもしれないけれども、それでよいのだと受け入れられていることも、とても重要に感じます。私は、正常な人の状態まで戻さなくても大丈夫だと受け入れられたことで、かなり楽になりました。その上で、対策していけることはたくさんありますから。

今後、病気がどう進展していくのかは、未知の世界で、その時々で対策も変わってくるのでしょうが、治癒する病気ではないので、今後も、病気と闘うのではなく、うまく病気と付き合っていければなぁと思います。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素晴らしい一日となりますように。

 

<今日の植物(庭の植物シリーズ)>

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「淡いピンクのペチュニア、アップ」photo by Kaori