「バティックと日本」展を終えて ~ 舞踊編
昨日、阪急うめだ本店での「バティックと日本」展、無事に終わりました。結局、一週間がっつり関わらせていただき、貴重な経験をさせていただきました。ここ数日、時間がある時は、少しずつこのイベントについて書いていましたが、終わってやっと時間ができたので、もう少し詳しくご紹介いたしますね。今日は、私が踊った舞踊に関してです。
26日のプレオープニングイベント、27日のオープニング日に2回、週末の30日には、ガムランの生演奏で2回、踊らせていただきました。
私の他にも踊りがあったのですが、私的なブログですので、私の舞踊を中心に少し写真でご紹介いたしますね。
まず、26日のプレオープニングパーティーでの舞踊。マンクヌガラン王宮様式のガンビョン・ルトノクスモという踊りです。
マンクヌガラン王宮では、お客様をお迎えするときに良く踊られる踊りです。歓迎の踊りとでも言いましょうか。私もよくマンクヌガラン王宮で踊らせていただきました。王宮では司会の方は、外国人のお客様の時は私が日本人ということを伏せて、インドネシア人のお客様の時は、私が日本人ということをお客様に伝えていましたね。まあ、外国人だったらジャワ人の踊りが見たいでしょうし、インドネシア人なら、外国人が踊るのも面白いでしょうしね。幸い(と言うべきか)、私は日本人とバレることはほとんどなく、ジャワの人だと思われることが普通でした。自分ではよくわからないのですが、なぜなんでしょうね…。
ガンビョンというのは、舞踊の種類で、もともと、農村部で、繁栄と豊穣を願って踊られたものですが、王宮に入り、洗練された舞踊スタイルに変わりました。また、マンクヌガラン王家は、ジョグジャカルタの王家との婚姻関係にあるので、この舞踊はマンクヌガラン様式とジョグジャカルタ様式の舞踊を混ぜ合わせて創作されたものです。
そして、記念写真。ちょっとぼけてしまっていますけれども…。
右の方は、ジョグジャカルタのパクアラマン王家の王妃さま。着物がよくお似合いですね。非常に気さくな方でした。そして、左の男性はスラカルタ(ソロ)のマンクヌガラン王族の方。ソロの正装をしていらっしゃいます。私がソロに滞在していた時から、何かとよくしてくださり、今回のイベントもぜひ私にマンクヌガラン様式の踊りを踊ってほしいと、各方面に掛け合ってくださった方です。
他に、在大阪インドネシア総領事など、関係者が大勢いらっしゃっていました。
27日は、マンクヌガラン様式のガンビョン・パレアノムを2回踊りました。ガンビョンは踊りの様式です。パレアノムのパレはニガウリ、アノムは若いという意味で、若いニガウリを指し、マンクヌガラン王宮のシンボルカラーである、緑と黄色で表されます。そんなわけで、私も緑と黄色の入った衣装です。写真ではわかりにくいかもしれませんが、上半身にまとっている衣装は深緑色です。この舞踊も、お客様をお迎えするときによく踊られます。また、結婚式でもとてもポピュラーな演目です。
ちなみに、頭や耳に付けているものの材質は、Kuningan(黄銅)でできていて、結構痛いです…。
公演では、踊りの衣装に関しても少し話させていただいたのですが、この衣装を着る時に、安全ピンと待ち針を多用するという部分で、観客の皆さんに受けていました。確かに、安全ピンや待ち針を使っているなんて、普通は思いませんよね。
そして30日は、生演奏のガムランで、マンクヌガラン様式男性優型舞踊のメナッコンチャルを2回。この舞踊は、マンクヌガラン王宮に伝わる、ラングンドゥリヤンという舞踊オペラの一部から取られたものです。ですので、途中で踊り手が歌います。マジャパヒト王国時代の若き勇者メナッコンチャルが、恋人デウィ・スカティを残し,後ろ髪引かれるような思いで戦に出ていく様が描かれています。ガンドゥルンGandrungと呼ばれる舞踊のジャンルのひとつで、恋の相手は登場しませんが、相手を思って身なりを整えたり、そこに相手がいるかようにふるまったりする動きで恋焦がれる様が表現されます。
それにしても、やはり、生演奏は良いです。感じるエネルギーが違います。そして、上演というのは生き物だなぁとつくづく感じられます。今回は、以前の違った感じで踊ろうと準備をしてきたので、私にとっては、新しい表現方法がトライでき、また評判も上々でよかったです。
素敵なお着物の前で記念撮影。
右端の方は、マンクヌガラン王族の方。26日にソロの正装をされていた方です。またバティックシャツだと違った感じですね。また、左から二人目は、パクアラマン王妃さま。26日には着物を着ていらっしゃいましたが、この日はジャワの服装です。パクアラマン王宮に伝わる、バティック柄の哲学的な意味に関してのレクチャーもされていました。そして、残りの二人は私の大事な友人たち。真ん中の方は、生ガムランで歌を担当した友人。素晴らしい声の持ち主です。彼女は、個のイベントでの舞踊とガムランのコーディネーターとしても今回重要な役割を果たしました。そして、左端の方は、後ろにあるステキな着物を作られた作家さん。ソロでバティックの勉強をされていた方です。
そして、ジョグジャカルタ様式の女性舞踊、ゴレッ・アユンアユンを踊った友人たちと記念撮影。ジョグジャカルタの衣装は、羽が華やかで可愛いですよね。後ろはハルジョナゴロというソロの有名なバティック工房のバティック。
こんな素敵なイベントで何度も踊らせていただけて、光栄でした。また、多くの友人たちも見に来てくれ、とても嬉しかったです。いらしてくださった方々、ありがとうございました。
舞踊のない日は、通訳として販売の手伝いをさせていただいたのですが、長くなるので、それはまた明日書きますね!
読んでくださってありがとうございました。
あなたにとって素晴らしい一日となりますように。