香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

金曜礼拝と、昨日のパクアラマン王宮

いつも読んでくださってありがとうございます。

 

引き続き、ジャワからのレポートです。

今日は金曜日。金曜日はイスラム教徒にとっては聖なる日です。基本的にイスラム教徒の男性は、モスクでの昼の礼拝への参加しなければなりません。(もちろん、それぞれの考え方で、しなくても良いのですけれども。)

金曜日は、11時ごろから、各モスクのスピーカーからアザーンが流れ始めます。家の近所なら、少なくとも3か所からは聴こえてきます。まあ、きれいなので、うまい人のものなら私は好きなのですけれども、最近は、そんなに大きな音で鳴らさなくても良いのにと感じることも。だいたい、12時ぐらいから30分ぐらい礼拝をしているでしょうか。

そんなわけで、金曜日のこの時間は、イスラム教徒の方とは、特に何も予定が入れられない感じで、のんびりしています。ちなみに、ジャワでは90パーセント以上がイスラム教徒です。

いま、ちょうど、アザーンの音の洪水が聞こえてきているところです。

何となく懐かしいような、それでいて異国情緒のあふれる良いメロディなのですけれどもね。それが何重にも重なって流れてくるわけです。まあ、あまり大きな音でなければ、癒される音なのですけれども。

話は飛びますが、実は、私の元義理の父はパレスチナ人で、アメリカで宗教学の教授をしており、今まで会った中で一番良い人と言えるほど、良い方でした。彼はキリスト教徒(アラブ正教会)でしたけれども、アラビア語を話されるのを、たまに耳にしていたので、アラビア語アザーンを聞くと、ちょっと懐かしく感じるのかもしれません。そして、たまに行っていたアメリカでのアンティオキアン/アラブ正教会の礼拝では、アラビア語ギリシャ語、英語が使われていて、アラビア語のお祈りのメロディフレーズは、イスラム教で使われているものと、よく似ているのです。あのメロディは、ひとつの宗教に限定されたものではなく、アラブのメロディなんだなと、感じています。アメリカでは、私も、中東の音楽を日常的に身近に聞く機会があったので、それもあって、余計に親しみを感じるのかもしれません。

 

さて、昨日のことを書きます。

このブログでも以前、ご紹介させていただきましたが、6月末から7月初めにかけて行なわれた阪急うめだ本店の「バティックと日本」展で、知り合ったパクアラム王家の王妃さまはじめ、関係者にお会いしに、昨日、パクアラマン王宮まで行ってきました。たまたま、「バティックと日本」展でもお世話になった、マンクヌゴロ王家とパクアラム王家両方の血筋につながるバサラさんが、私の滞在しているソロにいらしていたので、パクアラマン王宮のあるジョグジャカルタへ向かう車に同乗させていただきました。途中、ソロではダイアモンドホテルにある高級中華料理をごちそうしていただきました。ダイアモンドホテルの中華料理はとても久しぶりに食べましたが、やはりすごくおいしい!最初にソロに留学したころは、毎月、ここでソロ日本人会の会食をしていたことを思い出しました。その頃の、駐在のおじさま方には、時々、おいしいものを安く食べさせていただき、おごっていただき、本当にお世話になりました。
そこから、パクアラマン王宮へ。ちょうど、「バティックと日本」でお世話になった、京都の藍染めの方々ご一行が、パクアラマン王宮での絞り染めワークショップを行っていて、それが終わるころに到着しました。
王妃様もいらしていて、なんと、おみやげにバティックをいただいてしまいました。「私のバティック」と言っていらしたので、たぶん、王妃様ご自身がデザインされたものだと思います。

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ふたつのモチーフを組み合わせた柄のようですね。Grompol Sida Asih Bledakと書かれていました。

非常に気さくな王妃様で、誰とでもフレンドリーに話しかけられ、誰との写真撮影にも気持ちよく応じ、またバティック文化の普及にとても力を入れて活動されているのが分かります。こういう王妃様のいらっしゃる王宮は良いですね。きっとこれからも、文化の一中心として栄えることでしょう。
そして、今回のパクアラマン王宮訪問のもう一つの目的、日本でくださるとお約束をいただいていた、Asthabrataの本も、無事にいただくことができました。パクアラマン王宮で大切にされている、ジャワの伝統的なフィロソフィーの本です。

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中身も綺麗

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インドネシア語訳も付いています。

 

 
夕方には、偶然、パクアラマン王宮での舞踊の練習と、ガムランの練習が行われていて、見学させてもらいました。以前から知り合いの演奏家の方々とも何人か会えました。ラッキー。
 

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夜は、王家の御親戚で、王妃様のの執事のような役割をしていらっしゃるマルトヨさんの持っていらっしゃるBale Raosというレストランへ、絞りワークショップ参加者の一部とご招待いただき、またここでも御馳走をいただきました。Bale Raosはジョグジャカルタのスルタン家の王宮の敷地内にあり、以前、この王宮での舞踊練習の後に、たまに寄っていたレストランですが、マルトヨさんがオーナーだとは驚きでした。
ここで、偶然、私の敬愛するジョグジャカルタ舞踊の先生がお孫さんたちと食事をしているのに遭遇。ここ2日ぐらい連絡を取ろうとしていたのですが、取れなかったので、偶然会えて、とても嬉しかったです。
Bale Raosの裏の方には、美術品が展示してある部屋が。初めて入りました。白檀の木で彫られた彫刻が圧巻。もともと白っぽい色だったそうですが、年月とともに渋い色になったそう。顔を近づけると、まだ、良い香りを放っていました。

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また、絵画作家さんの作品も。ワヤン(影絵芝居)
のデウォルチを題材にした作品もありました。この写真は大きな絵ですが、小さい絵でも600万円ぐらいするそう…。すごい値段!
 

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そして食事会スタート

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Bale Raosでごちそうをいただき、「バティックと日本」に参加していたバティック工房の方何人かとも再会し、みなさんと記念写真を撮って、ソロまで車をチャーターして帰ってきました。Grabという、Uberのような配車サービスで、お値打ちでした。最近は、GrabやGo Carといった、一般のドライバーを配車するシステムがジャワでは充実していて、とても便利になりました。

とにかく、とても素敵な一日になりました。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素晴らしい一日となりますように。