香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

百花繚乱~ジャワ島の音楽と舞踊~ 公演を終えて

過日、11月18日、東京、王子の北とぴあ、つつじホールにて、「百花繚乱~ジャワ島の音楽と舞踊~」公演を終えることができました。たくさんの方々にご来場いただきました。ありがとうございました。

 

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「百花繚乱~ジャワ島の音楽と舞踊~ プログラム表紙」

 

写真などは、ラングン・ブクソ・さくらのFacebook pageでご覧いただけます。

Langenbeksaさくら - ホーム | Facebook

 

長い間、ラングン・ブクソ・さくらの仲間たちと温めてきた構想だったので、感無量です。いろんな問題もありましたけれども、舞台は成功だったと思います。そして、なんといっても、仲間たちと、協力して作り上げてこれたということが、一番の価値だったような気がします。本当に、得るものと学ぶことが多い準備期間と、舞台でした。本当に、多くの方の温かい協力があってこそ、実現した舞台でした。ありがとうございました。多くの方にご迷惑もおかけしたと思いますが、ここでお詫び申し上げます。

 

思えば、3年前、仲間の一人と、まず、衣装(上着)を注文したのですよね。次はマンクヌガラン王宮のブドヨ・ブダマディウン(舞踊の名前)だよねということで。2年ほど前から、東京で、みんなで集まってブドヨ・ブダマディウンの練習を始めました。1年と少し前に、いろんな面で、タイミング的に来年しかないということで、助成金を探し始め、北とぴあの国際音楽祭に応募したのです。その時に、ラングン・ブクソ・さくらの名前もスタートしました。同時に、マンクヌゴロ王家当主のマンクヌゴロ9世にも、このブドヨを日本で、日本人の踊り手で踊らせていただく、許可をいただくべく、仲間たちが奔走し、無事許可を得ることができました。そして、今年3月に審査に通り、そこから、みんなで一緒に進めてきたわけです。

終わってみても、本当に、ブドヨをこのレベルの公演をするのは、直近では、このタイミングしかなかったと思います。実現できて、本当にラッキーで、良かったです。日本では、ジャワ舞踊の踊り手はとても少ないですし、マンクヌガラン王宮舞踊をしっかり学んできた人はもっと少ない。ブドヨの踊り手7人を揃えるのも、ぎりぎりな感じです。そして、心を合わせて踊り、一緒に練習し、お互いに信頼していろいろ協力していける仲間でなければ、無理ですし。また、生演奏なので、ガムラン奏者の方々の多大なご協力も必要になります。そして、裏方をやってくださる方たち。家族の協力。その他にも、いろんなことがかみ合って、やっとこの舞台が成り立ったわけです。反省点はいろいろあるものの、舞台は成功して、本当に良かったです。関わってくださった皆様に、感謝あるのみです。そして、ラングン・ブクソ・さくらのみんなで協力して、進めてこられて、とても幸せでした。私たちみんな、恵まれていたなぁと感じます。

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「ラングン・ブクソ・さくらのメンバー、楽屋付近にて」

 

また、今回は、ジャワから、ジャワ舞踊の大御所、ダルヨノさんに来日いただき、マンクヌガラン王宮様式で、クロノ・トペンを踊っていただきました。素晴らしかった!私が初めてジャワに留学した時から、ダルヨノさんが素晴らしい踊り手であることは知っていましたし、その後も、その舞踊や作品を見る機会も多く、私自身の研究に関するインタビューをさせていただいたり、マンクヌガラン様式舞踊のアドバイスをいただいたり、そして最近では、割に親しく交流もさせていただいていましたが、今回ほど、そのすごさを実感する機会はありませんでした。このことについては、また違う記事で書きたいと思います。

ダルヨノさんには、ブドヨの時の歌にも参加していただき、また、クロノ・トペンでは、登場するときの歌も、ご自身で歌っていただくなど、私たちの無茶ともいえる要望にも、快く応えていただき、本当に感謝しています。

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「ダルヨノ氏によるクロノ・トペン、仮面をつける前」photo by Kaori

 

また、東京在住で、最近では世界中を舞踊で飛び回っている、ジャワのバニュマス地方出身で売れっ子ダンサーのリアントさんに、楽しいバニュマス地方の女形の踊りを踊っていただきました。さすがでした。踊りのうまさに加えて、美しすぎる。セクシーすぎる!最後に、お客さんを誘って踊る場面があるのですが、会場に来てくださった、駐日インドネシア大使ご夫妻も、舞台上で楽しそうの踊ってくださいました。

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「リアントさんとインドネシア大使」photo by Kaori


 

 そして、演奏してくださったガムラングループ・ランバンサリ。神聖で荘厳な舞踊曲、サックスとの共演の現代曲、勇壮な舞踊曲、楽しくてノリの良いバニュマス地方の竹楽器の曲、すべて曲調のかなり違う曲を、演奏しこなすというすごさ。真摯に練習を重ねる姿勢に心打たれます。その他にも、演奏には豪華なゲストが何人も入ってくださいました。そして、私たちの先輩も、クプラという、踊り手と演奏者の間を取り持つような楽器で入っていただけ、とても心強かったです。

 

 

何より、とても楽しかった!一つの夢がかないました。

お世話になっているマンクヌガランの親族の方からも、お祝いの言葉をいただきました。その中で、「インドネシアと日本の文化交流がもっと深まりますように。ジャワの文化に興味を持つ日本人が増えて、もっと多くの人が、ソロやジョグジャカルタで学ぶようになりますように。」という言葉があり、本当にそうなると良いなと思います。

今回の公演が可能になったのは、諸先輩方が道を開き、私たちがそこに続いて、徐々に道を広げてきたという歴史があったからだと思います。また、ここから、新たな挑戦もしたいし、後々まで、何らかの形でつながっていくと良いなと思います。

 

読んでくださって、ありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。