香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

ジャワ舞踊、男性舞踊の大御所から学んだこと(1)~エネルギーの伝達

東京での公演「百花繚乱~ジャワ島の音楽と舞踊~」のために、11月16日から22日の一週間、東京の友人宅に泊めていただいていました。本当にありがたかったです。

ちなみに、公演に関しては、以下の記事に書きました。

百花繚乱~ジャワ島の音楽と舞踊~ 公演を終えて - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

マンクヌガラン王宮のブドヨ・ブダマディウン(ジャワ舞踊)に関して - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊演目、クロノ・トペンについて - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

 

東京滞在中、ジャワからのゲストで、スラカルタ様式/マンクヌガラン様式ジャワ舞踊の男性舞踊の大御所、ダルヨノさんも、同じお宅に泊っていらっしゃいました。今回、一週間、忙しいスケジュールの合間を縫って、いろいろ話を聞かせていただく機会もあり、また、舞踊のワークショップも2回受けさせていただいたので、そこから学んだことで、覚えていることを、シェアしたいなと思います。ジャワ芸能は、多くの人がかかわって成り立つものですし、自分の学んだことは、出来る限りシェアしたいです。きっと、役に立つ方もいるでしょうし、私自身の記録のためにも書いておきたいと思います。

ただし、私というフィルターを通して書くので、私自身、誤解している部分もあるかもしれません。また、本来、言葉で表現するのは難しいことを、言葉で書くので、そこでもいろんな誤解が生じるかもしれません。そのあたりを鑑みて読んでいただければと思います。

 

どう踊るのかという、ある意味、ちょっと深い話をいくつかしたのですけれども、公演の打ち上げ中にある話をしている時に、私が「それは、才能ということではないのですか?そういうことができるのは、才能があるからということではないのですか?」と聞くと、ダルヨノさんは「この話が理解できるということは、それができる才能があるということ。そして、私はあなたにこの話と共にエネルギーを渡している(エネルギーを込めている)から、理解できるはずだ」とおっしゃったのです。それで、ハッとしました。確かに、はっきりと言葉にして説明は難しいけれど、エネルギーを渡されて、受け取ったような感じがするのです。受け取ったものがどういうものなのか、これから探求し続ければ、徐々にはっきりと、より深く理解できていくような気もするのです。(事実、ここのところ、そのことをずっと考えていて、いろいろ気付いてきています。)それで、目からうろこが落ちたのは、こういうことは、すべて、エネルギーの伝達であるということ。意識の奥では分かっていたことですが、はっきり理解が表面化した感覚です。

ちょっと違うかもしれませんが、レイキの伝授や、瞑想などのマントラの伝授も同じことなのかなと、すごく腑におちた気分です。(誤解かもしれませんけど。)

特に、伝統芸能は、エネルギーの伝達という面が強いのではないかと感じます。師から弟子に、直に伝わっていくものであるということです。踊りであれば、振り付けだけを学ぶのではなく、その奥にあるエネルギーを受け継ぐということだと思います。極端かもしれませんが、私自身、振り付けとテクニックだけ学んで踊っても、その踊りは空っぽだと、昔から感じています。(ちなみに私は以前はモダンダンサーでした。)ダルヨノさんは「isi(内容/中身)」という言葉を使っていらっしゃいましたが、それが重要で、その一つがこのエネルギーだと思うのです。そのエネルギーを「気」と言ってもよいかと思います。師はそれをどう弟子に伝えるのか、弟子はそれをどう師から受け取って自分のものとしていくのか、そのあたりは、師と弟子、個人個人の資質や経験、環境、信頼関係によっても変わってくるかなと思います。そして受け取るには、ある程度、自分という衣を脱ぎ捨てて、オープンであることも重要ですよね。

そして、受け取るためには、同じ空間にいることがとても重要な気がします。同じ空間で、一緒に動き、一緒に呼吸すること。全身全霊でエネルギー(気)の動きを感じ取ること。そして、それを自分のものとすること。そのためには、やはり、ある程度、体もできていたほうがよいですよね。テクニックもしっかりしていた方が、そのエネルギーを使いやすいでしょうし。

個人的には、大御所でなくても、若くても、うまくて、踊っている時に意識の交流ができる踊り手と一緒に踊っている時、特に、スリンピ(女性4人の舞踊の種類)や戦いの踊りの時、私は多くを学びます。考えてみれば、その時も、無意識に、相手のエネルギーを受け取っているのでしょうね。

ちょっと、自分の感じたことや考えもいろいろ書いてしまいましたが、エネルギーや、実態がつかみにくいことを書きますよということの例として、まず、上記のことを書かせてもらいました。

 

書くのに時間がかかりますので、まず、今日のところはここまでにします。

まだまだ続く予定。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。

 

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「ダルヨノ氏によるクロノ・トペン」photo by Kaori