香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

病気と向き合う(3)

今日は、病気と向き合うシリーズです。私の経験が、少しでもどなたかの役に立つのではと思い書いています。先日、糖尿病のカロリーコントロールの食事法が、私には合わないのではないかと疑問に思ったこと、それまでの治療法では、これ以上良くならないと感じたことを書きました。

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その頃、私は新たに仕事が決まり、多くの時間をジャワで過ごしていました。とにかく、何とか病気を良くし、薬をやめたかった私は、ネットでいろいろ調べつくしました。その中で、糖質制限が良いのではないかという結論に達していました。ただし、そこに行きつくまで、糖質制限の良い点、悪い点、経験談などを読みつくし、検討しました。いろいろ納得したので、糖質制限を実践してみることにしたのです。また、糖質制限をすることで、私の膵臓インシュリンをそれほど出さなくてもよくなって、休むことができ、回復に向かうかもしれないという、ほのかな期待もありました。私が処方されていた薬は、私の疲れている膵臓に、もっと頑張らせてインシュリンを出させるようなものでしたから。余談になりますが、インシュリン注射による治療法は重症の糖尿病患者に使われると思われがちですが、最近では、糖尿病がそれほどひどくない患者に、インシュリン注射の治療をすることで、膵臓を休ませて、膵臓の回復を期待するという治療法もあるそうです。私も、もし日本にいたら、試したかもしれません。

私は糖質制限を始める前から、日常的に自分で血糖値を計っていました。持ち運べる、小さな機械があり、そこに1回使い捨てのセンサーを差し込みます。ぱちんと、一瞬だけ針の出る別の機器があって、それでほんの少量の血を指先から出します。ちくっとするぐらいで特に痛みもないです。そして、センサーの先端に血をつけて血糖値を測るわけです。

ちなみに、インシュリン注射を使っている患者には、この機器も保険適用ですが、私のように、インシュリン注射を使っていない患者は、実費となります。日本で普通に買うと、一回につき100円以上かかるものが多かったです。しょっちゅう計っているとお金がかかってしょうがないので、最近は、アメリカから個人輸入しています。

糖質制限を始めるにあたっては、とても慎重になりました。私の場合、糖尿病に関してはジャワの医者はあまり信用していなかったので、日本に帰った時に、日本に医者に行くようにしていました。糖質制限を始めたのが、ジャワに滞在していた時だったので、全く医者の指導もなく試してみたわけです。どちらにしろ、それまでかかっていた医者に相談しても、反対されるのは目に見えていましたけれども。ちなみに、その後日本に帰ってから、糖質制限を推奨している医者に変えました。

はじめのころは、食前にまず血糖値を計り、食後30分後、60分後、90分後、120分後と血糖値を計って、血糖値の推移を調べていました。(ちなみに食後というのは、一口目を食べ始めてからの時間です。食べ終わってからの時間ではありません。)自分の身体を使った実験です。もともと、理科系が好きだった私には、実はとても、とても面白かったです。もちろん、体調によっても変わりますが、実際に自分の身体がどうなのか分かると、モチベーションも上がります。だんだん慣れてくると、食後2時間値のみを測っていました。私の場合、2時間値が180を超えないよう(できれば140以下)に調節していました。なぜ180かというと、血糖値が180以上になると、血管を傷つけると読んだからです。でも、本当にそうなのかはわかりませんけど…。また、健康な人は食後2時間値が140を超えることがないので、それで140という値も目標値に設定しました。もっとも、厳しい糖質制限をしていれば、そんなに上がることはありません。血糖値を上げるのは糖質だけですから。タンパク質も資質も全く血糖値には関係ありません。

食事は、主食を抜き、糖質を含む食材は、グラム数を測り、食材の糖質量を調べて、エクセル表にまとめていました。慣れてくると、どのくらい食べれば、どのくらい血糖値が上がるのかだいたいわかるようになったので、そこまで詳しく調べなくなりました。糖質を制限するのは、1日1食か2食から始めましたけれども、主食を抜き、1食の糖質量を20~30gぐらいに抑えていたので、血糖値は全くの正常値となり、初日から、自分の判断で、糖尿病の薬はやめました。実は、低血糖になるのは、高血糖より怖いことなのです。ですので、糖質制限をする人は、糖尿病の薬には気を付けなければなりません。一度の低血糖だけでも、様々な病気になるリスクが何倍にもなるそうです。それならば、高血糖でいる方がまだましかもしれません。

初日から薬をやめられたので、私は本当にうれしかったです。主食をとらない分のカロリーはタンパク質や脂質で補っていました。それで気が付いたのですけれども、それまでの私の食事は、たんぱく質をあまり摂取していなかったのです。何となくイメージで、野菜の方が健康なような気がして、大豆発酵食品のテンペは食べていましたけれども、お肉やお魚はあまり食べていなかったのです。そして、良い油もあまり摂取していませんでした。そうすると、ご飯も野菜も全部炭水化物(糖質)なわけです。(もっとも野菜の炭水化物の一部は食物繊維です。)野菜の方が健康だと思っていたけれども、ほとんど糖質ばかり摂取していたと気づいて、愕然としました。

私にとっては、糖質制限の効果は抜群でした。すぐに減っていた体重も増え始め、健康そうになってきたのです。私を以前から知る周りの人、何人にも「健康そうになった。良かったね。」と言われました。落ちていた筋肉も戻ってきたのです。また、以前から、よく口内炎が出来ていたのですが、糖質制限をはじめて、ピタッと止まりました。日本に帰るたびの血液検査でも、コレステロールの値も驚くほど優秀。血圧も低い。そんなわけで、3食とも、結構厳しい糖質制限を続けていました。2年以上は続けていたと思います。糖質制限は、糖質さえ制限すれば、お腹いっぱい食べられるのが、私にはとても楽で、満足感も高かったです。また、お肉もお魚もたくさん食べていたので、なかなか贅沢だったと思います。そして、油はオリーブ油とごま油のみ使い、ちょっと高級なオリーブ油や塩、オリーブ塩を使ったりして、シンプルな味付けの食事を、ちょっと贅沢に楽しみました。また、お酒も蒸留酒なら糖質がゼロなので、安心して楽しめます。赤ワインも少量なら糖尿病には良いそうです。

 

今日はここまでにしますね。次回は、どんなことが大変だったのかなどを書きたいと思います。それから、私は決して厳しい糖質制限を推奨しているわけではありません。今は、ゆるい糖質制限しかしていませんが、その理由はおいおい書いていこうと思います。

 

ちなみに、私自身、今は、病気を悪いものだとは思っていません。病気はいろいろなことを気付かせてくれます。もちろん健康に越したことはないですけれども。でも、いろんな事は、ただ起こるのです。それをどう捉えるかは、全く私たちの自由で、それによって、見える世界、自分自身の在り方が決まってくると思うのです。それならば、私は、どんな状況でも、楽しみが見つけられ、良い気分でいられる捉え方を、いつも選択できれば良いなぁと思っています。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。

 

<今日の植物(庭の植物シリーズ)>

 

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アデニウム・オベスム。植え替えたら、葉っぱがぐんぐん育ってきました」photo by Kaori