香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

命をいただくと言うこと

去年の晩秋に収穫した、クスリウコン。私が以前住んでいたインドネシアではtemulawakと呼ばれています。収穫した後、発泡スチロールの箱の中に、バーミキュライトを詰めて、その中にクスリウコンを埋め、室内で保存していました。いくつかは、今年植え付けるためで、その他は、健康ドリンクを作るためです。クスリウコンは薬効が高いらしいです。余談ですが、健康ドリンクは、クスリウコンの他に、レモングラス、バンウコン(kencur)、ウコン、生姜、こぶミカンの葉っぱ。サラムsalamの葉っぱ、シナモン、kayu secang、カルダモン、八角、フェヌグリークなどなど、様々なものを混ぜて試しています。あとジャワのやし砂糖も少し入れます。ウコン類や生姜は、皮ごと火であぶって焦げ目をつけてから、叩いてつぶします。他のものもつぶせるものはつぶし、鍋に水を加えて煮立てるという、簡単なものです。いろいろ配合を変えてやっています。クスリウコンはかなり苦いので、どうしても苦くなってしまいますけれども…。

話を戻します。発泡スチロールの箱の中に入れていたクスリウコンは、その中ですでに芽が出始めているものがあったので、4月の終わりには植え付けました。すでに、かなり大きくなっています。高さはすでに私の胸あたり。残りのクスリウコンは、スライスして乾燥保存させようと思っていたのですが、バタバタしているうちに時は流れ…。気が付くと、全部に芽が出ている!

芽が出てしまうと、なんだか食べてしまうのが申し訳なく、でもたくさんありすぎて、家では育てられない…。何人かの友達が欲しいというので、差し上げることになりました。そこで、その友人たちに会うまで、また発泡スチロールの箱に保存しておき、土曜日に開けてみたら、なんと、芽が発泡スチロールの蓋に突き刺さり、穴が開いていました。クスリウコンのパワー、恐るべし。その発泡スチロールの上には、また別の発泡スチロールが置いてあったので、蓋を持ち上げることはできず、突き刺すことにしたのでしょう。これだけのパワーがあれば、薬効も間違いなしな感じです。

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「保存中に芽を出したクスリウコン」photo by Kaori

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「保存中に芽を出したクスリウコン」photo by Kaori


それでつくづく感じたことは、ああ、これは生きているのだなということ。生きて、育ち、子孫を残そうとしているのだと。当たり前のことかもしれませんが、私たちは、命をいただいて、命を繋いでいるのだなということ。そして、それが生きるということの宿命であること。そう思うと、何を食べるのも、感謝していただかなければならないなぁと、改めて感じました。めぐりめぐって生きているのですね。

 

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「4月末にプランターに植え付けたクスリウコン」photo by Kaori

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。