香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

病気と向き合う(2)

先日の病気に向き合う(1)というブログの続きです。

先日書いたことに関しては、以下をご覧ください。

病気と向き合う(1) - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

 

ジャワに住んでいた5年ほど前に糖尿病と分かり、とてもショックを受けました。調べてみると、糖尿病は治癒することはないと書かれている。おまけに、私のように、足が攣るなどの症状が出ているということは、すでに長い間(5年~10年)、糖尿病に侵されていた印だという。ということは、もしかして、私の血管は、高血糖でボロボロになっているのではないか、足が攣るということは、末梢血管がかなりやられていしまっているのではないかと、とても心配になりました。糖尿病自体は特に症状も出ず、気付かないことが多いのですが、糖尿病による合併症が怖いわけです。腎臓が機能しなくなったり、けがが治らず壊死して足が切断になったり、網膜症で失明したり、神経障害が起きたり、心筋梗塞脳梗塞、癌にかかる確率も倍増します。

合併症ももちろん怖いですけど、私の身体が人並みの能力を失っているということが、私にとっては大きなショックでした。そしてその能力が戻ることはないのです。私は障害のある方々とアートでかかわっていく活動をしたり、調査をしたりしていたので、ある程度、障害のある方々とのつながりがありますし、親しい友人もいました。でも、自分だけは普通でいたかったのだなぁと、ある意味、自分の中で思いがけない偏見を見つけたような気もしました。

まさか自分が糖尿病にかかると思わなかったので、糖尿病に関して全く何も知識がなかったのですが、今思えば、前兆はあったのです。糖尿病が発覚する1年ほど前だったと思うのですが、日本で血液検査を受けたことがありました。その前に、大学からの派遣でジャワに滞在していたのですが、食べたものが悪かったのか腸チフスにかかってしまったのです。日本に帰る前には完治していましたけれども、大学側に報告したら、腸チフスは法定伝染病だから、日本の病院で血液検査をしてもらって、完治していますとのお墨付きをもらうまでは、大学に来るなと言われました。そこで、帰国時に空港の検疫で報告し、そういう検査のできる病院を紹介してもらいました。検疫官は、「本当は、腸チフスなんて普通の生活で他人にうつることなんてないんだけどね。大学がそう言うなら仕方がないね。」という感じで、病院を紹介してくれました。そこで、血液検査をしたら、チフスに関しては全く問題がなかったのですが、医者が「あれ、ちょっと血糖値が高いね。でも、朝食後だったら普通の血糖値だから心配ないかな」と言っていたのです。実は血液を採取してから、検査の結果を聞きに行けるまで、仕事の関係で1か月も間が空いていたのです。私も「あれ、私朝ごはん食べてから行ったっけ?食べずに行ったような覚えもあるけど」とは思いましたけれども、記憶が定かでなく、放置していました。あの時に、もし気が付いていれば、もしかしたら糖尿病にならずに済んだのかもしれないと思うと、ちょっと悔しいです。もっとも、その時点で、すでに糖尿病だったのかもしれませんけど…。私の場合、食後にかなり血糖値が高くなっても、時間が経てば、ちゃんと人並みの血糖値まで下がるので、余計に発見しにくいタイプだと思います。おまけに、海外生活が長くて、ほとんど健康診断も受けたことがありませんでしたし。これを読んでくださっている方でも、もし何かサインがあれば、見逃さないようにされると良いと思います。

ジャワの病院で処方された薬を飲み、食事に気を付けたら、血糖値は割合すぐに下がりましたので、少しホッとしました。薬は、日本でいえばグリメピリドを3mgです。日本だったら、もっといろいろ検査してから投薬量を決めると思うのですが、一度随時血糖値を計っただけで決められていました。今思うと、かなり適当だと思います。

血糖値が下がったのは良いですが、食事が大変でした。ジャワでは基本買い食いですが、制限があるとそれもできず、料理をするにも、あまり適した場所に住んでいませんでしたし、手間もかかって大変でした。おまけに、少ししか食べられず…。

日本では、HbA1cヘモグロビンA1c)値を測って、治療の基準とすると思うのですが、ジャワの病院で測られたことはありませんでした。ちなみにHbA1c値では、過去1~2か月の血糖状態が分かります。

ジャワで糖尿病と診断されたのは、7月だったかと思いますが、9月に日本へ帰って、早速近所の糖尿病専門医に行きました。そこでHbA1c値を測ると、10パーセントもあったのです。かなりひどいです。ちなみに正常値は6.2パーセント以下です。お医者さんによると、10パーセントもあるのは、例えると、40度の熱がずーっと続いているぐらいの、深刻な状況だとか。

とにかく、私は自分の身体を「まともな」状態に戻したかったのです。薬もできるだけ飲みたくありませんでした。それで、日本糖尿病学会の出している、糖尿病食事療法のための食品交換表などを参考に、食べる量を決めていました。ただ、私の中には、お腹が空くことに対する恐怖心というものがあって、食事の量が少ないのがつらかったです。子供のころから、お腹が空くと、急に手が震えたり、身体から力が抜けたり、妙に怒りっぽくなったりしていたからかもしれません。

努力の甲斐あって、だんだんHbA1c値も下がってきました。また、お医者さんにも私の方から、薬を減らすのはどうでしょうと提案して、減らすのに同意してもらい、3mg飲んでいた薬が、1㎎で済むようになっていました。でもある時、はたと気付いたのです。このままの治療法をやっていても、これ以上良くなることはないということを。そして、薬も一生やめられないと。実際、私の状態もそれ以上良くならず停滞していました。また、その頃私はとても痩せていましたし、コレステロールや血圧なども問題ないのにもかかわらず、画一的に日本糖尿病学会の推奨していた、カロリーコントロールの食事法を勧められるのにも疑問を抱いていました。不健康な痩せ方もしていましたし。それで、いろいろ調べることにしたのです。

私が何を考え、どのような治療法を選んでいったのか、この続きはまた別の日に書きますね。ちなみに今は、自分の納得いく方法で病気と向き合い、受け入れたせいか、病気は悪いものだとも思っていないですし、楽になっています。私の書く記録が、少しでもどなたかの役に立ちますように。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素晴らしい一日となりますように。

 

(追記)

今日は1日ですね。私は行ける時は毎月1日に近所の神社へ行くことにしています。特に理由はないのですが、ご挨拶とお礼に。でも今日は実は縁あって天河神社へ行くのです。あ~楽しみ!数日留守にするので、その間、ブログは書けたら書きますね。

 

<今日の植物(庭の植物シリーズ)>

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「オリエンタルゆり・イエローウィンが咲きました!」photo by Kaori