香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ジャワ舞踊やガムラン音楽に関すること、日々の気付きや学び、海外生活で見聞したこと、大好きな植物や動物に関してなどを、私が感じたことを気ままに、ゆるゆると書いていきます

Tutup Ngisor村のパデポカンでの独立記念日の行事

いつも読んでくださってありがとうございます。

 

今日も引き続き、ムラピ山ろくの村での独立記念日行事に関してです。

前回は、伝統文化を使ったSumber村の独立記念日行事について書きました。

以下からお読みいただけます。

ムラピ山の村での独立記念日行事(1) - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

ムラピ山の村での独立記念日行事(2) - 香りの舞い ~流れる水のように 燃える火のように 静かな大地のように 自由な風のように~

 

さて、その夜、Tutup Ngisorにあるパデポカン・チプト・ブドヨでは、いくつかのパフォーマンスが行われ、コミュニティの方たちが見に来ていました。今回のパフォーマンスは、主に子供。子供たちにこういう機会があるのは素晴らしいです。

この夜は寒くて、近所の観客の方たちは、みんな毛布持参。私は、ウルトラライトダウンを着ていたのですけれども、それでも寒かったです。ここでは、何度も夜中までパフォーマンスを見たことがありますが、こんなに寒かったのは初めてです。

それは、さておき、どんな感じだったのか、写真を中心にご紹介しますね。

ただ、私がいつも使っているカメラが壊れてしまって、ジャワに置きっぱなしになっていた古いカメラを使っているので、ちょっと、写りが悪くてすみません。

 

まず、独立記念日の朝に、どこでも、子供たちのいろんなコンテストや競争があるのですが、それで入賞した子供たちの表彰がありました。

この、出演する女の子たちも、賞をいただいたようです。

f:id:Kaoriok:20180915231752j:plain

「賞をもらった子供たち」photo by Kaori



そして、ガムランを使った若者たちの創作音楽の演奏

f:id:Kaoriok:20180915232033j:plain

「創作音楽の演奏」photo by Kaori

小さな子供が、近くまで行ってみていますね。こういうことは、こちらではとても寛容で、よく見る光景です。

 

そして子供の踊り。かわいかったです。

f:id:Kaoriok:20180915232037j:plain

「子供たちの踊り」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232026j:plain

「子供たちの踊り」photo by Kaori


そして、中学生による演劇

こちらの人たちは、なぜか、子供も大人も演劇がとてもうまい。素人でも、堂々と演じます。そしてアドリブも自由自在。これは、伝統芸能の力ですね。伝統演劇はアドリブが満載ですから。

これは、現代劇のようです。

f:id:Kaoriok:20180915232025j:plain

「中学生による演劇」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232023j:plain

「中学生による演劇」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915233602j:plain

「中学生による演劇」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232050j:plain

「中学生による演劇」photo by Kaori


そして、子供たちによる踊り

f:id:Kaoriok:20180915232224j:plain

「子供による踊り」photo by Kaori

 

高校性による踊り

f:id:Kaoriok:20180915233932j:plain

「高校生による踊り」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915233935j:plain

「高校生による踊り」photo by Kaori

 

 

歌。中学生か高校生でしょうか。

f:id:Kaoriok:20180915232244j:plain

「歌」photo by Kaori


そして、パデポカンからは、3人のみのLangendriyan(ラングンドゥリヤン)が演じられました。これは、マジャパイト王国時代の東ジャワのダマルウラン物語から題材がとられていて、メナッジンゴ、ダユン、ダマルウランの三役で演じられます。ラングンドゥリヤンは、ジャワのオペラとも呼ばれていて、舞踊劇ですが、セリフはすべて韻を踏んだ歌で歌われます。ほとんどは、パラランという形式の歌です。ここのLangendriyanは、初めて見ましたし、このパデポカンのレパートリーにあるのも、初めて知りました。このパデポカンを開いたシトラスのお父様が、ジョグジャカルタで学んできたものとのことでしたが、私が見た限り、マンクヌガラン王宮のラングンドゥリヤンに、近いもののような感じがしました。マンクヌガラン王宮のラングンドゥリヤンの、この3人で踊られるレパートリーは、私も演じたことがあり、練習もよくするのですが、歌詞も全く同じところがたくさんありました。もっとも、マンクヌガラン王宮のラングンドゥリヤンは、男役もすべて女性によって演じられますが、こちらでは、普通に、男性によって演じられていました。

このパデポカンは、ワヤン・オラン(伝統舞踊劇、影絵芝居の人間版)が盛んですが、それも、マンクヌガランのワヤン・オランの影響を受けていると聞いています。以前、マンクヌガランのワヤン・オランが、地方をめぐっていたそうですが、この辺りにも来たようです。とにかく、このパデポカンは、マンクヌガランといろいろな関係があるなぁと感じます。ここのラングンドゥリヤンは、ワヤン・オランと交じっている部分もたくさんありましが、興味深く、見られてうれしかったです。

 

まず、メナッジンゴとダユン。ダユンはメナッジンゴのおつきの道化です。

f:id:Kaoriok:20180915235005j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232245j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915235246j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232431j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

 

f:id:Kaoriok:20180915232456j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232513j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232542j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232548j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

 

もちろん、ガムランの生演奏です。

f:id:Kaoriok:20180915232609j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

このパデポカンの長であるシトラスさんが太鼓をたたいていらっしゃいます。多才な方です。

f:id:Kaoriok:20180915232647j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

ヒーロー、ダマルウランの登場。

f:id:Kaoriok:20180915232645j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232804j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232806j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232814j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232826j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

メナッジンゴとダマルウランの戦い。

f:id:Kaoriok:20180915232848j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori

f:id:Kaoriok:20180915232859j:plain

「Langendriyan」photo by Kaori



ここで、ラングンドゥリヤンが見れると思っていなかったので、ここまで来たかいがありました。ここのパデポカンは本当にすごい!
そうして、ここの人たちは、子供のころから、こういう芸能を、自然に学んでいってしまう。そういう強さが芸能にあります。すばらしい。

 

読んでくださってありがとうございました。

あなたにとって素敵な一日となりますように。